若手勤務医に将来像を聞いてみると  



記者の視点

医科歯科大病院和同会歯科売店が展示会

東京医科歯科大学歯学部附属病院の財団法人和同会歯科売店が7月9日,第4回展示会を4階の研修室で開いた.前回は160名余が参加したが,今回は304名が訪れたので,展示業者(12社が展示)が用意したサンプル200個ほどが,展示会の時間帯(3時間)の中ほどでなくなった.“見て,聞いて,触って,試す”が展示会のテーマ.
普段同病院の外来患者は1日,1700人とされ,多くの患者が歯ブラシやフロス,歯磨剤,洗口液などを歯科売店に買いにやって来る.5分に1人位の割合であろうか.その間に,研修医や常勤医,歯科衛生士,学生も訪れる.さらに,メーカーが新製品の説明に来たりする.
ところで,展示会では若い歯科医師たちに,歯科の将来像や何を目指しているかなどを聞いた.質問に応じてくれたのは50名ほどであったが,大半が前向きで,歯科の将来に明るいイメージをもっていたのは,むしろ意外であった.
それは,日本一の外来を誇る歯科病院の恵まれた環境下にいるからであろうか,と思ってみた.また,学生の声も聞いたが,歯科で言えば東大のようなものであり,エリート意識から,「歯科をリードする立場になりたい」と抱負を語る学生もいた.
「咬合と全身など独自の分野を目指したい」と具体的な青写真を語る歯科医師もいた.桜井充参議院議員の持論,「歯科医療が日本を変える」を紹介したら,うなずく歯科医師もいた.「歯科医療の重要性を国民が本当にわかれば,歯科医師の立場は再評価される」と指摘する歯科医師もいた.
[ 2008/07/17 12:44 ] 記者の視点 | TB(0) | CM(0)

歯科技工と社会との関連 


記者の視点


日技中西会長と日技学会齊木会長の特別対談

日本歯科技工士会の機関紙「日本歯技」2008(7)に掲載された中西茂昭会長と日本歯科技工学会の齊木好太郎会長の特別対談を興味深く読んだ.
「歯科技工と歯科技工士は,今もってその行為が正しく評価されているとは言えません.これらの改革・改善こそが全ての取り組みの原点です」と中西会長が語る.
「学問の確立ということからして,自然科学分野は当然として,さらに人文科学,社会学分野での研究,確立も必要かと思います」と齊木学会長が問題を提起した.
「学会の力の重要性を特に強く感じたのは,今回の診療報酬改定です.歯科技工のタイムスタディの調査研究を行っていただきました.・・・我々の仕事が社会的に正しい評価をしてもらうためには学会の権威はとても重要です.・・・そういう観点から学会にお願いをする事案というのはどんどん増えていくだろうと思います.要するに理論武装の役割を担っていただくということですね.今回の診療報酬改定では,それが見事に証明されたかなという気がします」と中西会長が評価した.
齊木学会がいう人文科学,社会学とは,歯科技工と社会との関連とする.これが診療報酬改定に関わるタイムスタディの調査研究であった.具体的には,メタルコア等はどの位の時間がかかっているのかを調査した.
結果としてあまりにも時間単位の製作料が低かった.1時間当たりの報酬は,コンビニのアルバイトより少ないという事例もった.このようなことを日本歯科技工士会が所轄の行政に訴えてことで,今回の診療報酬改定につながったとする.
特に金属裏装ポンティックやメタルコア,局部床義歯の一部が上方改定された.
「ただ,その問題の根というのはまた違ったところにあるということも考えておかなければいけません」と中西会長は指摘する.
つまり,社会保障のなかにおける医療とは一体何であるのか.さらにそのなかにおける歯科の評価,歯科技工の評価の問題である.
危機的状況にある歯科技工の問題は,介護現場の問題と通底している.これは正に政治問題であり,歯科界たけで手に負える問題では到底ない.
(山本嗣信)
[ 2008/07/11 11:06 ] 記者の視点 | TB(0) | CM(0)

国家公務員制度改革法案と行政の不作為問題 

記者の視点

改正薬事法ではいまだ混乱が続く

国家公務員制度改革が重要課題とする,国家公務員制度改革基本法案が成立した.官僚主導から政治の主導へ変えていくことであり,基本的に自民,公明,民主3党の国会対策委員長会談を開き,その後3党の担当者が検討を加え修正して法案ができた.
この法律は,行政の運営を担う国家公務員に関する制度を,社会経済情勢の変化に対応したものとするのが目的である.
基本理念は以下のとおりである.
1)議院内閣制の下,国家公務員がその役割を適切に果たすこと.
2)多様な能力および経験を持つ人材を登用し,および育成すること.
3)官民の人材交流を推進するとともに,官民の人材の流動性を高めること.
4)国際社会の中で国益を全うし得る高い能力を有する人材を確保し,および育成すること.
5)国民全体の奉仕者としての職業倫理を確立するとともに,能力および実績に基づく適正な評価を行うこと.
6)能力および実績に応じた処遇を徹底するとともに,仕事と生活の調和を図ることができる環境を整備すること.
7)政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について,国民に説明する責任を負う体制を確立すること.

 しかし,肝心な問題がふれられていないと思われる.例えば行政の不作為問題への対応である.過去の公害や薬害への対応の遅れや杜撰さは,行政の不作為の典型といえる
国家公務員制度改革基本法案はその意味で,重要な問題を見落としているといえる.また,昨今の公益法人制度改革も時代に逆行していると思われる.団体の役員の任期を決めたり,共済制度をできなくさせたり,行政の権限や指導方針が拡大している.そこまで干渉するのかと危惧せざるをえない.
また,改正薬事法なども,混乱はいまだ続いている.許認可の申請書類への対応では,お上意識があまりにも色濃く前面にでているとしか解釈できないのである.


[ 2008/07/04 14:56 ] 記者の視点 | TB(0) | CM(0)

“ 病の治療を医師や病院に丸投げしていいのか” 

記者の視点

「健康医療市民会議」で“元気主義”に出会う

旧知の歯科医師小山悠子氏から「健康医療市民会議」の話を聞いて興味を覚え参加してみた.
6月17日,国際医療福祉大学の乃木坂ホールで第3回の定例会が開かれた.梶原拓氏(前岐阜県知事,全国知事会前会長)が定例会の準備会代表として挨拶し,小山悠子氏が講演会の司会を務めた.
健康医療市民会議は,1)病の治療を医師や病院に丸投げしていいのか.自分でもっと調べるべきだ,2)最も大切なことは,患者・市民が自らの健康を保ち,病を治し,生命を救うことである.そのために情報を共有し,みずから最適な健康法,医療法を選んで,みずからの責任で健康を維持向上することである,という主旨で発足した.
定例会では各専門家から最新情報を入手,情報交換がされるが,西洋医学だけでなく代替医療,食事療法等も含まれるという.
また,従来は医療機関と行政で決められていたことに患者・市民の意見や視点を反映させたい,としていた.
講演は「元気主義万歳」と題して,デザイナーでイベントプロデューサーの山本寛斎氏が自らの健康法を語った.また,ビデオテープを流し,同氏が主催した諸外国でのイベントの模様を紹介した.
モスクワのイベントは40万人規模の参加で,興奮のルツボの様相であった.ベトナムのハノイのイベントは20万人規模で,春巻きの素材を紙吹雪にして飛ばしていた.養魚場に隣接した会場で行われ,魚の餌となるように工夫した.インドでのイベントも紹介した.
東京ドームでのイベントでは,著名な芸能人を含め一般の人々3,000名がボランティアで演舞等に出演していた.アントニオ・猪木が雄叫びをあげていた.アメリカンフットボールのチームも参加していた.勇壮な和太鼓や徳島の阿波踊りもあった.高円寺の阿波踊りチームも参加していた.直径50メートルの巨大な気球がドームを飛行していた.オートバイが25メートルも空中を飛んでいた.
山口では全員県民参加型のイベントを企画した.中学1年生から70歳代までの県民が参加した.日本武道館のイベントでは新撰組をテーマにした(ベルリンの映画祭で特別上演された).愛知博の開催イベントも企画した.地元の小学生,高校生が参加した.このころから山本氏の表現は平面から空へ向かっていったと解説し,再び東京ドームのイベントの後半のイベント映像を放映した.
山本氏は,太陽のような熱い心で“元気”を演出した.「大きな夢をもつことが,年齢を超えた生きる源になると思う.藍色という色があるが,日本語は色を多彩に表現できる.このような言語をもった民族は世界にはない.日本の誇りをもってさらに活動していきたい」と山本氏は最後に述べた.
なお,このあと福岡明氏(東京都・福岡歯科)が長年の歯科東洋医学の立場で講演し,最後にO-Ringの原理の解説とデモを行った.82歳を迎えた福岡氏はなお元気であり,参加者に取り囲まれ終始笑顔をたやさず相談や質問に応えていた.(山本嗣信)




[ 2008/06/20 12:32 ] 記者の視点 | TB(0) | CM(0)

訪問看護の現場,薬事法で衛生材料が常備できない 

記者の視点

“療養指導を看護師の裁量にすべき”


政治家は現場に足を運び,政策を具体的に立案すべきである.
例えば,後期高齢者医療制度については,訪問看護に係わる現行の制度では,1)24時間体制の加算が低い,2)夜間・早朝の緊急訪問の加算がない,3)ターミナルケアの評価が低い,4)週4日以上の訪問看護は対象者が制限される,などの問題点がある.
医療保険の「24時間連絡体制加算」は,1月につき2,500円(介護保険の「緊急時訪問看護加算」は5,400円)であり,サービスに見合った報酬ではなく,経営上,24時間体制をとることが困難とされる.
訪問看護ステーションには,薬事法により衛生材料が常備されていない.褥瘡の処置,尿道留置カテーテルの交換,点滴などの衛生材料を管理できないために,すみやかに的確な対応を行うことが困難であり,救急車で病院に搬送する例もある.
そこで薬事法に規定されている衛生材料の取扱いを緩和し,処置の実施者である訪問看護師が常備できるようにする必要がある.
衛生材料:生理食塩水,キシロカインゼリー(尿道留置カテーテルの交換に使用),消毒液,尿道カテーテル,点滴セット等.
また,在宅医療の推進,訪問看護の広がりが後期高齢者医療制度の課題であり,栄養摂取や清潔の保持などの療養指導を看護師の裁量とすることである.「療養上の世話」に関する医師の指示を解除すべきではないだろうか.
なお,インシュリン注射,胃ろう・経管栄養・吸引・吸入等のケアは,毎日訪問が必要であるが,週4回以上の訪問対象者が限定されている.机上の空論的,現場を無視した制度設計となっているのである.
歯科分野にも同様の問題点がある.歯科衛生士の裁量権をどこまで認めるかである.それによって在宅・訪問分野に拡がりが期待できそうである. (山本嗣信)









[ 2008/06/02 15:45 ] 記者の視点 | TB(0) | CM(0)