東京歯科大学が水道橋移転計画の概要を発表 

平成22年の創立120周年記念事業として実施へ

 東京歯科大学は平成22年に創立120周年を迎えるが,創立120周年に向けて,平成18年7月に記念事業準備委員会を発足させ,各記念事業の実施について検討を進めてきた. 
この結果,東京・水道橋移転計画について,同年11月に理事会で承認を受け,「教育施設に関する将来検討委員会」を設置し,記念事業に一環として位置づけ,千葉校舎,水道橋校舎の将来構想を検討してきた.
同委員会は,1年余にわたり検討を重ね,同学見学の地である水道橋への回帰を創立120周年記念の一大事業として実施することの結論を得た.
 金子譲学長が発表した基本構想は大きく6つの項目に分けられる.
1)大学の全てを水道橋へ一斉に移転する.
移転する場合の選択肢としては一斉に移転を行うか,段階的に移転を行うかのいずれかとなるが,教育,研究,診療面や財務・法務の面から比較検討し,検証した結果,一斉に移転を行うことが望ましいという結論に達した.
2)現在の千葉校舎には,規模を縮小し,診療機能を充実させた千葉診療所(仮)を設置,その用地分を残し,約28,500坪を売却する.
大学機能を一斉に移転することから,学生や臨床研修歯科医の教育を行う場である現在の千葉病院の機能については,大幅な見直しが必要となる.現在千葉病院は千葉県歯科医師会および郡市歯科医師会との間で地域の歯科医療を担う医療連携ネットワークを構成しているので,その機能を十分に果たせる規模の医療機関を残すことを考えている.
3)水道橋のTDCビルを大学本体,病院として使用する.
現在も法人事務局および水道橋病院として使用しているTDCビルは,6階以上のフロアを学校法人の収益事業としてテナントに賃貸している.移転後は水道橋病院で学部学生,大学院生,臨床研歯科医の教育を主に実施することになるので,その規模,および機能の拡張が必要となる.
4)三崎町2丁目リパーク駐車場跡地(同学所有)を校地に変更する.
TDCビルから神保町方面に約70メートルの場所に大学の将来構想を想定し,取得した土地がある.現在はリパーク駐車場として収益事業に使用しているが,この土地に新しいビルを建築し,大学施設として利用する予定である.この建物には,血脇記念ホールを改築し,コンサート会場としても使用可能な多目的ホールの建設も予定する.
5)学校法人昭和一高学園との共同開発による校地確保を行う.
同校は文京区本郷1丁目に所在し,昭和4年創立の普通科,商業科を有する男女共学校である.今年創立80周年を迎え,その記念事業の一環として同校校地に共同開発で校舎を建設するパートナーを募集していたところ,同学と順天堂大学がその候補として名乗りを上げ,細部にわたる諸条件を含め,交渉の結果,同学が第一交渉権を得る運びとなった.校舎建設後は,土地,建物を双方で共同所有する計画となっている.
6)グラウンドは旧市川病院跡地に設置する.
大学設置基準では校舎から約1時間以内の場所にグラウンドを設置することが規定されており,同地を新しいグラウンドの第一候補として考える.
 大学が水道橋移転を決断するに至る大きな要因は,「東京歯科大学の将来」を実現するためである.移転計画の実施は,変化する様々な社会情勢への対処,将来的な経営に対する危機管理が必要とされる現在の同学では,時宜を得たものであり,将来構想実現の一つの大きな契機であるとしている.
なお,水道橋移転計画の総合的な設計は(株)日本設計に委託をする.
<東京歯科大学千葉病院の今後の展望> (石井拓男病院長)
 東京歯科大学は,千葉病院は「地域のニーズに合った先進機能を有した特色ある診療体制」を目指して,この美浜の地で新しい診療体制の具体的検討を開始することとなった.
 千葉病院は,これまでも常に医療水準の向上に努め,良質で高度な歯科医療の推進,中核病院として機能分担を促進し,開かれた病院を目指して日々努めてきた.県下の医療機関との連携を密にし,最高の歯科医療技術と最新の設備による歯科医療を提供するために歯科医師会からの学外委員の参加による医療連携協議会を平成18年に立ち上げ,昨年医療連携室も設置した.これからも地域に密着した医療を目指していきたい.



[ 2008/07/08 13:10 ] 大学関係 | TB(0) | CM(0)

患者1人ひとりに合わせた医療の実現へ 


口腔がんなどの分子臨床医学データベース


東京医科歯科大学情報医科学センター長・教授の田中博氏が7月2日,記者会見し,「患者1人ひとりに合わせた医療」の実現に向けた分子臨床医学データベースについて発表した.
患者1人ひとりに合わせた医療は,オミックス医療と呼ばれ,平成17年度文部科学省科学振興調整費重要課題型研究として,「網羅的疾患分子病態データベースの構築」プロジェクトが採択された.
東京医科歯科大学を中心に,国立がんセンター研究所,理化学研究所,産業技術総合研究所,日立ソフトの5機関で研究を実施した.
平成17年度〜19年度の3年間で,東京医科歯科大学では,肝細胞がん,大腸がん,口腔がんを対象に525症例を収集した.これに国立がんセンター研究所が頭頸部がん,食道がんを加え約700におよぶ症例情報を蓄積できた.今回は約400症例を公開した.
これらの詳細な臨床情報と網羅的な分子・生命情報(オミックス)情報を蓄積し,患者1人ひとりに合わせた医療を実現したいと田中氏は述べた.
まず,テーラメイド医療とオミックス医療との違いについて,1)テーラメイド医療は疾患感受性,薬剤応答などの個別化医療である,2)オミックス医療は遺伝情報の総体,遺伝発現の総体,細胞タンパク質の総体,代謝分子の総体から疾患を統合的に捉える.つまりシステム医療である,と解説した.
オミックス情報(生命情報)と疾患との関係を理解するための研究を通し,オミックス情報に基づいた「新しい医学体系としてのオミックス医科学」の樹立を目指したいとした.
また,集積されたオミックス情報の統合と医療分野への革新的有効利用を通じ,従来の臨床医学体系にとらわれない「個の医療・予測の医療」を真に可能とするオミックス医療を実現したいと抱負を述べた.
網羅的生命情報がオミックス情報の本質であり,がんの予防,診断(疾患の早期発見),治療,予後(再発の正確な予測など)の質向上を目指したいとした.

なお,オミックス情報は質量分析器(田中耕一さんのノーベル賞受賞対象)によって測定可能になった.

[ 2008/07/03 12:17 ] 大学関係 | TB(0) | CM(0)

神奈川歯科大学久保田英朗学長就任を祝う会 


写真:梅本俊夫前学長(右)と久保田夫妻

55歳の学長は同大第9回生

 

  神奈川歯科大学(理事長:高橋和人名誉教授)の新学長となった久保田英朗氏の就任を祝う会が,6月29日,横浜市のグランド・インターコンチネンタル・ホテルで開かれた.
 同大学は開学45年目にして,初の卒業生学長の誕生となった.会には約250名の同大関係者,同期生らが集まり,若い学長と大学の前途を祝った.
 久保田氏は同大学を卒業の後,慶応義塾大学医学部歯科口腔外科の研修医から,同大大学院に進み微生物教室で医学博士号を取得,同教室助手の後,米国留学,帰国後佐賀医大口腔外科に入局し,講師を経て,母校の神奈川歯科大学の教授となった俊英.海外での論文の評価も高い.専門は腫瘍免疫と,顎顔面外科学.
 一方,佐賀医大での恩師香月武名誉教授らとともに,ベトナムやフィリピンに口唇口蓋裂手術のボランティアに従事するなどしており,昨年にはベトナム政府から勲章を授与されている.
 新学長は謝辞の中で,どこも厳しい状況の歯科大学であるが,本学の職員は意識が高く,なんとかやっていけると思う.入学応募者が多かったのはよかったが,反面,辞退者もあったので,大学のブランド力を高められるようにしたい,と抱負を語った.
 なお,同大卒業生で顎顔面外科学講座非常勤講師でもある露木隆之氏(舛添要一厚生労働大臣秘書)が,参議院比例候補の職域代表に名乗りを挙げたことから,同窓生が露木氏を囲む輪もできていた.

 

[ 2008/07/01 14:38 ] 大学関係 | TB(0) | CM(0)