記者の視点 日本歯科医師会の日本歯科総合研究機構(石井拓男研究部長)の「歯科医療経営実態調査について」の報告書で,中医協の医療経済実態調査について以下のとおり分析している.
<中医協の医療経済実態調査>1)歯科界が期待するようには,医療経済実態調査は用いられていないと思われる.
2)日歯独自調査を提示しても,中医協の医療経済実態調査に代わる資料として,有効性が高いとは考えられない.
3)医療経済実態調査自体の活用のされ方に疑問があることから,医療経済実態調査と同様な分析結果を提示しても,中医協において歯科の主張を強化するものとはならないと考えられる.
はじめに,“歯科医療費の削減”というシナリオありき,と思われる.診療報酬改定の結果が如実に物語っているとおり,中医協の医療経済実態調査を無視,度外視している,といっても過言ではない.
同時に中医協の論議の場では,歯科は“保険外の診療で結構,稼いでいるではないか”という突き放した見方があるようである.
このため,歯科保険医協会などは,“保険で良い入れ歯を”と訴え続けてきたのだと思うのである.俯瞰すれば,医科と歯科の 格差問題は,保険外の歯科診療の存在に,帰結するのではないだろうか.
それにしても,歯科診療の技術料は,あまりにも低く抑えられている.保険では,とてもやっていられないことを,“国民に向かって”強固に主張するほかないのではないだろうか.そのことは報告書にはないが.
(山本嗣信)